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妊娠貧血

妊娠中の貧血は鉄欠乏症の貧血

妊娠中は、赤ちゃんを育てている子宮へ、大量の血液を送り込んでいます。そのために血液中の水分(血漿)が、妊娠前に比べて約40~50%増え、循環血液量が増加しています。血液は増えた水分の分だけ薄くなり、これが「貧血」で、「水血症」と呼ばれることもあります。 妊娠中の貧血のほとんどは、鉄欠乏症の貧血です。これは胎児の発育に伴い、ヘモグロビン(血色素)の材料である鉄分が不足することで起こります。貧血そのものは、妊婦の生理的な反応です。少し疲れやすい、息切れがするなどということがありますが、一般的には胎児には影響はありません。  

鉄分をしっかり摂る

軽度の貧血では、まず食事で鉄分をしっかり摂りましょう。鉄分は口からしか吸収されないため、妊娠前から貧血傾向にあった方は特に、日頃の食生活に注意をしましょう。 魚類、ひじき、ほうれんそうなど、鉄分の多い食品を食べるように心がけましょう。 必要があれば、鉄剤を服用することもあります。ただし鉄剤は、便が黒くなったり、胃を悪くすることもありますが、特に心配はいりません。 また、食事療法と漢方薬の内服を併用することもおすすめします。妊婦貧血には「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」「人参養栄湯(にんじんようえいとう)」などが用いられます。当帰芍薬散は、余分な水分を整える利尿作用があり、人参養栄湯は、増血作用によって貧血を緩和する効果が期待できます。 日本人は欧米人に比べ、貧血の割合が高いといわれています。特に妊娠中は、定期的な検査を行なって下さい。  

血液型不適合妊娠

血液型不適合妊娠は、2人目以降の赤ちゃんに影響

血液型不適合妊娠とは、Rhマイナスのお母さんがRhプラスの赤ちゃんを妊娠した場合に起こります。 お母さんがRhマイナスでお父さんがRhプラスの場合、9割以上Rhプラスの赤ちゃんが生まれます。通常、お母さんと赤ちゃんの血液は胎盤を境に別れていますが、もち分娩時などにRhプラスの赤ちゃんの血液がお母さんの血液中に混じると、お母さんの体に抗体が作られます。 抗体ができてしまうと、最初の赤ちゃんにはあまり影響しませんが、2人目を妊娠した時に、この交代が赤ちゃんの血液に入って、赤血球を壊してしまいます。 そのため、胎児は貧血やさらに重症化すると心不全を起こし、流産を起こす可能性があります。 出産後に赤ちゃんが黄疸になることもあります。 よって、血液型不適合妊娠は、2人目以降の出産に備え、妊娠中に特別な注意が必要になります。

お母さんに抗体ができないように予防する

対策として、お母さんの血液検査を定期的に行い、母体に抗体ができていないことを確認します。 妊娠後期になると赤ちゃんの血液が母体にもれでる可能性が高まるので、検査を行なった結果、必要があれば抗体を作らせない薬(免疫グロブリン)を注射します。 さらに出産後にもう一度注射します。この注射により、お母さんに抗体ができないように予防できます。 Rhマイナスのお母さんは、出産に限らず、流産や中絶の時にも同様なリスクが起こるので同じ処置を受けます。 いずれにしても妊婦健診をきちんと受けて、担当医師と綿密に連絡をとる必要があります。  



妊娠の定期検診 飛び込み出産は危険です

妊婦健診で、異常の早期発見、早期治療

最近、妊娠しても妊婦検診に行かない人が増えているようです。陣痛が始まってから、初めて病院に訪れる「飛び込み出産」の事例も多くなっているようです。
しかし、出産となれば、妊婦と胎児の安全を確保するために、最低限の情報が必要です。妊婦健診jは、妊娠中に発生する異常をなるべく早く見つけて、しっかりと対処するために必要なのです。
妊婦健診は、妊娠23週までは4週間ごと、妊娠24週~35週までは2週間ごと、妊娠36週以降は1週間ごと、これが原則です。
健診では基本的な診察と必要に応じて血液検査や尿検査などを行い、赤ちゃんの動きや発育を確認するための超音波検査も行ないます。
費用は、病院・地域によって異なり、1回4000円~1万円。保険がききませんが、自治体によっては回数を限って無料にする、などの施策がとられています。

妊婦健診の未受診により発生する問題点

妊婦健診を受けないと、さまざまな問題が生じます。
妊娠週数は最終月経から計算しますが、通常妊娠10週前後に胎児の大きさで確認し、必要があれば修正します。この時期に妊娠健診を受けないと、確かな妊娠週数が把握できなくなります。
さらに胎児の胎位、胎向が不明という問題も生じます。逆子の場合は、緊急帝王切開の可能性もあるので、事前の準備が必要です。
また未受診の場合、早産率、妊娠高血圧症、2500g以下の低出生体重児(未熟児)の率も高くなるようです。
健診で100%以上が発見できるわけではありませんが、早期発見できれば予防も治療も可能です。定期的な健診の結果が、緊急時にも重要な判断材料になります。きちんと健診を受けましょう。


妊娠糖尿病

糖尿病合併妊娠と妊娠糖尿病

糖尿病とは一言でいうと、血中の糖分量をコントロールするインスリンの量や作用が何らかの原因で不足し、高い血糖値の状態が続くことです。
糖尿病の患者さんが妊娠することを「糖尿病合併妊娠」といい、妊娠をきっかけに糖尿病を発症することを「妊娠糖尿病」といいます。
いずれの場合も、流産や早産、妊娠高血圧症候群、胎児死亡や胎児機能不全などを引き起こすことがあります。また、糖が赤ちゃんに移行し、高血糖の状態となるため、巨大児が生まれる可能性があります。
糖尿病合併妊娠は重症になりやすいため、医師の管理の元で血糖値を保つための療法を厳密に行なうことが必要になってきます。
また、治療の一環としてインスリン注射を行なうこともありますが、インスリンは胎盤を通らないため、赤ちゃんに影響することはありません。

糖分の取りすぎ、高カロリーが原因。早期発見と、血糖値の徹底管理を。

妊娠糖尿病の多くは、甘いものなど糖分の取りすぎや、高カロリーの食事の摂りすぎなどが考えられます。家族や身内に糖尿病の人が多ければ、妊娠糖尿病になりやすいこともあります。普通の糖尿病ほどひどくならないとはいえ、放置しておくと糖尿病へ発展することもあるので、注意が必要です。
検査としては、血糖値を測り、一定の数値以上のの人にはブドウ糖負荷試験を行ないます。
まずは早期発見、そして医師の管理の下で徹底した血糖値のコントロールを行なうことが重要です。


妊娠・育児中の酒・タバコ

胎児死亡や乳児突然死のおそれも

お酒やタバコは赤ちゃんの成長に悪影響を及ぼします。生まれてくる大切な命のため、旦那様と協力し、妊娠中の飲酒、喫煙はきっぱりやめましょう。

アルコールが胎児に与える影響について

お母さんがお酒を飲むと、血中のアルコールがそのまま子宮に送られ、赤ちゃんが酔っ払います。お母さんにはアルコールを代謝する酵素がありますが、赤ちゃんにはそれがないため、直接アルコールにさらされるのです。そして赤ちゃんの脳細胞がたくさん障害を受けると、「胎児アルコール症候群」になります。

「胎児アルコール症候群」とは?

子宮の中での発育が悪く、皮膚や関節、聴覚、心臓などの異常のほか、近視や斜視などの視力障害、知能発達への影響が見られることもあります。このように妊娠中のアルコール摂取は、たとえ少量でも赤ちゃんの発育には大きな危険となります。

妊娠中の喫煙

妊娠中の喫煙は、周産期死亡、前置胎盤、常位胎盤早期剥離、前期破水などが、喫煙量に比例して高くなり、非喫煙の妊婦さんに比べて1.5倍ほど、早産しやすいとも言われています。さらに赤ちゃんの発育障害は明らかで、分娩時の体重が平均より200g程度軽いことが報告されています。このような子宮内胎児発育遅延の赤ちゃんは、分娩時に生命の危険まで背負わされてしまうのです。

妊娠中は禁煙を

お母さんはもちろん、副流煙の問題も含めてお父さんもこのさい、禁煙しましょう。出産後においても、タバコを吸うお母さんの母乳からはニコチンが分泌され、赤ちゃんがニコチン中毒になってしまいます。さらに両親ともタバコを吸う家庭では、乳児突然死症候群の危険性が4.7倍にも跳ね上がることがわかっていますので、禁煙は極めて重要です。



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